山林の間伐について

山林の手入れに置いて、間伐は山を丸裸にしない限りずっと続きます。

木の年齢が若い時は頻繁に間伐をしなくては、木と木の間がすぐに混んできて成長の妨げや、まっすぐな木が育たなくなります。

間伐をしていていつも思うのは、間引きした後は綺麗になったなぁ、ちょっと切りすぎたかな?と思っても1年経ってその山を見に行くとこんなに切らなかったかなぁ?と思うぐらい木は成長しています。

私は間伐しているときに、木の下の方から空を見上げてその木の枝の周りに綺麗に空が見えるように間伐していきます。

20~30年位までの木を切り倒す時は、小さい物や曲がった木などを中心に間伐していって出来る限り立派でまっすぐなものを残していきます。

木が大きくなるにつれて間伐のサイクルも間が空いてきます。

山林によっては5~6年に1度でも十分な山林もあります。

私の家の山林は1番若いので30年余、 1番年数が経っているもので80数年ぐらいの山林です。

ですからほとんどオヤジか祖父が切り開いて植えた山林です。

これからの間伐は50年以上の成木が育っている山林に関しては太いのを間伐していきます。

若木の頃は細くて曲がったものなどを間伐しているので50年以上経った山林は太さ細さの差はあるものの、曲がった木がもうほとんどありません。

ですから太い木を切って有効活用して空間を広くし、そしたらその周りの少し細い木もまた20~30年経てば太くて立派な木に育ちます。

間伐によって木の価値は大きく変わる

木の価値は同じ太さなら年数が経っているものほど年輪の目が細かく価値があるとされます。

ですから一見太くて良い木を切って、細いのを残したらダメなようでも時間をかけて太く育ったらより価値のあるものになっていくのです。

林業を長い時間かけて未来に繋ぐのは、私はこの育て方が1番良いと考えて実践しています。

こうしていけば後の世代ほど年数が立った立派な木が育っていくので経営的にもやっていけるのではと考えています。

50年以上経った木は切り出してそのまま原木で売ったりせずに、あらびきと言って10センチ以上の板に製材して自然乾燥させて保存します。

こうしておけば色々な板としても使えますし、加工して家具などを作ることもできます。

間伐した木も無駄にしない

もう何年も前から木が安い、山林の価値が下がっているという事はよく聞きますが、やはり製材所に板になったものを購入しに行くと立派なものはそれなりの価格がします。

農作物やスギやヒノキ、そういったものの値段が下がっていても、最終価格がそれほど下がるかというと一般消費者が払うお金は下がってないのが現実です。

ですから出来る限り自分たちで育てるところから製品化まで一貫してやれるとなんとか経営が成り立つのではないかと考えています。

農作物などを見ていても消費が100%に対して生産が98とか99までなら価格は維持されていますが、100%を超えた瞬間に相場がかなり下がります。

こういったシステムの中で相場とかに振り回されていれば物作りや、作物や木を育てるということがゆっくり落ち着いて出来なくなっていきます。

ですから出来る限りそういう影響を受けずに物作りに取り組む仕組みを自分たちでしっかり作っていくことがとても大切なように思っております。

山林を未来へつなぐ

今後、私も父や祖父が私に残してくれた山林を有効活用し未来につないでいこうと考えて現在悪戦苦闘しております。

そういったことをしっかりとした形にしないと自分たちの今ではなく、いつどういった形になるかわからない未来に対してしっかりとした仕事をしてきた先代たちの思いを、本当に無駄にしてしまう気がします。

ですからバトンをいただいた私がどういうふうに後継者たちにその場所とも繋ぐかということはしっかりとした山林を育てることによって、自分やその周りに携わる人が立派な木のように自分自身を育てるということだなとつくづく思います。

平成30年11月吉日
エムトゥーアール株式会社
代表取締役 寒川善夫

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